kintone ポータルで KPI ダッシュボードを内製

クライアント概要

ネクシア・プロパティ自社内(中堅規模相当の業務量)の kintone 運用を題材にした実装事例です。標準ポータルではアプリへのリンクが並ぶだけで「数字が一目で見えない」課題があり、市販のノーコードプラグイン(月額数万円)導入も検討した上で、JS / CSS フルカスタムによる内製を選択。同じアプローチは kintone を導入している中堅以上の不動産会社にそのまま展開できます。

課題(Before)— ダッシュボードを「探しに行く」運用、月 3 時間の集計準備

kintone を不動産業務に導入すると、すぐ次の悩みが顕在化します。

導入前の現場で起きていたこと:

  • 「ポータルを開いても、各アプリへのリンクが並んでいるだけ」 → 数字を見るには複数アプリを巡回する必要
  • KPI 確認に 1 日 10 分(複数画面遷移)
  • 経営会議の集計準備が 月 3 時間(手動集計)
  • 市販プラグイン導入だと 月数万円のライセンス費(年 36〜72 万円)が継続発生
  • プラグインのプリセット範囲外の集計・遷移動線は実装しにくい
  • 廃止検討時のデータ移行に手間がかかる(ベンダーロックイン)

「もう少し自由にできないか」「経営判断のスピードを上げたい」という現場のニーズと、IT 投資の費用対効果という経営側のニーズが衝突していました。

なぜネクシア・プロパティに依頼したのか(Why NEXIA)

ノーコードプラグイン採用 / コンサル経由のカスタマイズ発注 / 自社で覚えて内製、の 3 択を比較した上で「設計はネクシアに任せ、運用は自社で持つ」を選んだ決定打は次の 3 点でした。

  • 経営指標を業務側起点で設計してくれる — 「目標達成率」「予実差」「担当者ランキング」など会社固有の指標を、業務フローからボトムアップで抽出
  • 「JS カスタムは難しい」という先入観を整理してくれた — プラグインと比較してコスト・自由度・保守性を率直に提示。「設計が固まれば実装 3〜5 日」というスケジュールを業務側から逆算
  • 拡張先(BI ツール / 他アプリ連携)まで見越した設計 — 将来 Looker Studio に連動させたい等の発展シナリオを最初から想定した構成

施策(How)— 3 フェーズで標準ポータルを上書き

PoC(1 アプリ・KPI 3 つ)→ 段階拡張で運用化しました。

[ kintone ポータル画面(標準UI) ]
JS / CSS で上書き
Phase 1: カスタム KPI ダッシュボード
今月売上
¥12.5M
進行案件
42件
要対応案件
8件
  • 各 KPI をクリックで該当一覧へジャンプ
REST API で集計取得
Phase 2: kintone REST API
  • 売上アプリから当月集計
  • 案件アプリからステータス別カウント
  • 数値はリアルタイムで反映
Phase 3: 拡張 / 内製化
  • 新指標は社内で JS に追記して反映
  • 大規模拡張時は再ヒアリングのみ
KPI 確認 30 秒、集計準備 30 分、ライセンス費 0 円

ポイント1: 「ポータルを開いたら全 KPI が目に入る」

ダッシュボードは別画面ではなく、kintone を開いた瞬間に表示されるトップページに直接組み込みます。経営者・管理職が朝一で kintone を開けば、その日に対応すべき数字が即座に視界に入る。ダッシュボードを「探しに行く」必要がないのが大きい。

ポイント2: KPI 数値をクリックすると該当一覧へジャンプ

「今月売上 ¥12.5M」をクリックすると、その内訳の売上レコード一覧へ遷移。「要対応案件 8 件」をクリックすると、その 8 件のフィルタ済み一覧へ遷移。「気になった瞬間に深掘りできる」動線が、経営の意思決定スピードを上げます。

ノーコードプラグインでも一部実現可能ですが、JS カスタムの方が遷移先の自由度(ビュー指定・絞り込み条件)が圧倒的に高いです。

ポイント3: 集計ロジックを自由設計可能

「先月比 +〇%」「目標達成率」「予実差」「担当者ランキング」など、会社ごとに見たい指標は全く違います。プラグインだとプリセットの中から選ぶしかありませんが、JS カスタムなら経営会議で使う指標をそのまま実装できます

なぜダッシュボード基盤に kintone を採用したのか(要約)

  • 政府水準のセキュリティ — ISMAP登録、ISO/IEC 27001/27017
  • REST API が標準提供 — JS カスタマイズから集計データを自由に取得できる
  • 中小不動産会社が「IT 専任不要で経営ダッシュボードを持てる」現実的な選択肢
  • 拡張性 — 後から「グラフ追加」「他アプリ連携」「BI ツール連動」も柔軟

詳しくは → なぜ不動産業務で kintone を選ぶのか — 8つの理由 で解説しています。

成果(After)— 月 3 時間の集計準備が 30 分、5 年で累計 300 万円以上のコスト差

運用開始 6 ヶ月時点での実測値:

指標プラグイン利用時JS カスタム実装後
ライセンスコスト月数万円(年 36〜72 万円)月 0 円(実装一回きり)
KPI 確認に要する時間1 日 10 分(複数画面遷移)30 秒(ポータル一画面)
経営会議の集計準備月 3 時間月 30 分(リアルタイム反映)
カスタマイズ自由度プリセット内のみ完全自由
ベンダーロックイン有り(移行に工数)無し(自社資産化)

5 年運用すれば 累計 300 万円以上のコスト差が出ます。

クライアントの声

「市販プラグインを継続購入するか自社で覚えるか、という二択しか頭になかった時に『JS カスタムで設計を固めて、運用は自社で持てる形にしましょう』という第三の選択肢を提示されたのが転機でした。設計が固まれば実装は数日で済む、という見立てがその通りで、結果として月数万円のランニングが消えただけでなく、経営会議で見たい指標を必要に応じて即追加できる体制になっています。"プラグインで間に合わせる" 状態から抜け出せた。」

— 代表取締役 / ネクシア・プロパティ

横展開可能性

このアプローチは、kintone を導入している不動産会社のほぼ全てに適用可能です:

  • 賃貸管理会社: 入居率、滞納件数、解約予告件数、修繕案件の SLA 遵守率
  • 売買仲介: 月次売上、進行中案件、見込み客のステータス分布
  • 保証会社: 新規契約数、求償権案件数、回収率
  • 管理組合: 修繕積立金残高、未払金管理、議事進捗

ノーコードプラグインに月数万円払い続けている会社は、1 年で初期費用を回収できる可能性が高いです。

まとめ

kintone のカスタマイズは「コードを書く必要があるから難しそう」と敬遠されがちですが、設計が固まれば実装は 3〜5 日で完了します。月数万円のプラグインライセンスを払い続けるより、初期費用一回きりで長期運用できる方が、中長期で見れば確実に得です。

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